こんにちは。
僕が現在所属している会社は、メンバーがやりたいと言ったことを積極的にやらせてくれる文化があります。
僕はエンジニアとして働いていますが、営業にも興味があって営業をやらせてもらう機会がありました。
営業について学ぶために同僚からおすすめされたこの本を読んだところ、とても学びが多かったためブログにまとめます。
価値の方程式
- 価値の方程式とは、「ニーズの大きさ」と「解決策のコスト」の関係を示したもの
- 「解決策のコスト < ニーズの大きさ」となれば商談は成立する
- 解決策のコストが低い小型商談では、問題点、つまり潜在ニーズを見つけるだけで商談が成立するが、大型商談では解決策のコストが高い分、解決策のコストの見合うようにニーズを深刻で重大なものに育て上げる必要がある
SPINとは
SPINとは売り手から買い手への質問によってニーズを育て上げる手法で、頭文字がSPINそれぞれの文字となる4種類の質問をSPINの順に使う。
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状況質問(Situation Question)を使って背景情報をつかむ
↓
問題質問(Problem Question)を使って、買い手の潜在ニーズを見つける
↓
示唆質問(Implication Question)を使って、買い手に問題の重大さを認識させる
↓
解決質問(Need-payoff Question)で買い手から顕在ニーズを引き出し、買い手自身に求めているものやその効用を言わせて商談成立へ導く
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状況質問(Situation Question)を使って背景情報をつかむ
↓
問題質問(Problem Question)を使って、買い手の潜在ニーズを見つける
↓
示唆質問(Implication Question)を使って、買い手に問題の重大さを認識させる
↓
解決質問(Need-payoff Question)で買い手から顕在ニーズを引き出し、買い手自身に求めているものやその効用を言わせて商談成立へ導く
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※ それぞれの詳細については後述します。
ニーズの種類
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潜在ニーズ:買い手が口にした問題や不満
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例:現在のシステムは手動の作業が必要で手間がかかるし、ミスのリスクがある
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顕在ニーズ:買い手が口にした欲求や欲望
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例:全てのオペレーションを自動化できるシステムが必要だ
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質問の種類
潜在ニーズを引き出す質問
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状況質問:買い手の現状に関する情報を収集する
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例
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今はどんなシステムをお使いですか
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オペレーションをするスタッフは何名ですか
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状況質問は買い手にとってつまらないので、極力商談前に調査を行って商談中は必要最低限にした方が良い
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問題質問:買い手の抱える問題点や不満に関する質問
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例:今のシステムには満足していますか、使いづらいところはないですか
- 問題質問によって潜在ニーズを引き出す
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潜在ニーズを顕在ニーズに発展させる質問
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示唆質問:買い手が抱える問題の影響についての質問
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目的:買い手が大したことはないと思っている問題を、アクションを起こすべきな大きな問題だと認識させる
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例
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それは生産性にどんな影響がありますか
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そのせいでミスは発生していませんか
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示唆質問は意思決定者に売り込むときに、より効果が高い。問題点が及ぼす影響について考えるのは、意思決定者の考え方と同じなため、説得力が増す
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解決質問:買い手から提案された解決策(顕在ニーズ)の価値や効果に関する質問
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例
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それにどんなメリットがあるでしょうか
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それがどう役に立つでしょうか
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どうしてそれが重要なんですか
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他にも、そのことによるメリットはありますか
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見込み客を問題点ではなく解決策に注目させ、見込み客から解決策のメリットを語らせることができる
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注意点として、自社製品では解決できないことことには使っていはいけない
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解決できないことに対して、どうして〇〇が必要なのですか、と解決質問をすると、応えることができない見込み客のニーズを強めてしまう
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利点と利益
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利点:サービスがどのように買い手の役に立つか示すこと
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利益:サービスが見込み客の示した顕在ニーズにどのように応えられるのかを示すこと
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利点は買い手の反論を引き出しやすいため、利点よりも利益を伝える方が良い
- なぜ反論を引き出すかというと、売り手がニーズを育て上げる前に解決策を提供してしまい、買い手がそんな高価なものを購入するほどでもないと思ってしまうため
- 商談の早い段階で利点について語るよりも、示唆質問・解決質問を使って顕在ニーズを育ててから利益を提示する方が良い
効果的な商談準備
問題質問の準備
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面談前に、見込み客が抱えているかも知れず、かつ自分のサービスで解決可能な潜在的な課題を考え、少なくとも3つは書き出す
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書き出した潜在的な問題を浮き彫りにするために、商談で使えそうな問題質問をいくつか書き出しておく
示唆質問の準備
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見込み客が抱えていると思われる問題点を書き出す
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その問題に関連した他の問題がないか考え、書き出す
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書き出した関連した問題点について、どんな質問をすればその問題に話を持っていけるか考え、書き出しておく
商談中
商談のうまいはじめ方
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売り手が質問することについて買い手に同意させること
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まずは売り手が情報を求める側で、買い手が情報を与える側という役割を確立するのが重要
買い手から何らかの約束を取り付けるための効果的な方法
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主な懸念事項に対応したかチェックする
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例:話を前に進める前に、追加で説明が必要な点はあるでしょうか
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要点/利益をまとめる
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商談が長くなると、買い手は話の内容を全て理解していないことも多いので、約束を取り付ける段階に移る前に、要点(買い手にとって重要な利益)を整理してまとめると効果的
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商談後
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商談後に改善していくためのチェックポイント
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今回の商談の目標は達成できたか
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同じ商談ができるとしたら、どこを変えるか
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他の買い手の商談にも役立つことが何か学べたか
おわりに
ここまでお読みいただきありがとうございます。
思っていたよりも具体的な営業の手法が解説してあり、とてもためになる一冊でした。
この本の中では、良い例・悪い例など、具体的な商談のやりとりが多く記載されていてとても理解しやすかったので、是非お手にとってみてください。