毎週1冊技術書を読んでブログでアウトプットすることを目標にしています。
今回は技術書ではないのですが、学ぶことがとても多かったのでまとめました。
チームが機能するとはどういうことか を読みました。
「チーミング」という概念をもとに、学習する強い組織の作り方を書いた本です。
最近よく耳にする「心理的安全性」についてもこの本の中で詳しく解説されています。
最近読んだ本の中で一番衝撃を受けたというか、学ぶことが多かったので、少し長いですが是非この記事を読んでいただけると嬉しいです。
チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
- 作者: エイミー・C・エドモンドソン
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2014/09/05
- メディア: Kindle版
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まえがき
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集団的学習(小さなグループの中で、そのグループによって学ぶこと)は、組織学習の最も重要な手段だと考えられている。複雑で変わりやすいビジネス環境で成功するためには、人々はチームで働き、かつ学ばなければならない
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しかし多くの組織が、工業化時代に成長性と採算性を飛躍的に高めたトップダウンの指揮統制アプローチに、今なお依存している。そうした経営スタイルの最も基本的な信条(確実な支配、相違の排除、順応に対する報酬)の中には、協働や組織学習を抑制してしまうものがある
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リーダーが、管理ではなくエンパワーメントをするようになったら、適切な答えを与えるのではなく適切な質問をするようになったら、そして規則の遵守を主張するのではなく柔軟性に着目するようになったら、メンバーはもっと高いレベルで仕事を行えるようになる
第1部 チーミング
第1章 新しい働き方
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社会として、私たちは相変わらず不安に基づいた職場環境を当たり前のように受け容れてしまっている。不安によって支配力を増大でき、支配力は確実性や予測精度を高めると思っている人もいる。しかし、そういう環境は組み立てラインの労働者には効果をもたらせたものの、今日のような知識ベースの経済においてはもはや競争上の強みにはならない
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今後、真に卓越した存在になるのは、組織内のあらゆるレベルで、人々のコミットメントや学習する力を引き出す組織である。学習は不可欠であり、究極的には支配を手放すことが求められる。成功するためには、実行のための組織づくりから、協働やイノベーションや組織学習を支持する新たな働き方へとシフトすることが不可欠である
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本当に素晴らしいパフォーマンスとは、何かに挑戦して失敗し、代わりにどうすれば成功したかを理解し、さらにその挑戦について成功したことも失敗したこともすべてを洗いざらい仲間に話すことである。そうした発見プロセスによって、人々はいくつもの領域の専門知識を統合し、その仕事に対する新たなアプローチを理解することになる
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学習しながら実行するというのは、絶え間ない学習と高いパフォーマンスを結びつける組織としての活動の仕方である。簡単に言えば、仕事をこなしながら同時にどうすればもっとうまくできるか探し続けることである
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今日必要とされているダイナミックで柔軟性のあるチームのリーダーに必要とされているのは、答えがなくても前進するにはどうすればいいか、その方法を見つける想像力と勇気である。明確な方向性を示し、リスクや失敗に対して寛容で、他人と緊密に協力することを率直に求めるリーダーである
第2章 学習とイノベーションと競争のためのチーミング
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うまいチーミングに必要なのは、さまざまな分野からの意見をまとめること、専門知識が多分野にわたる中でコミュニケーションを図ること、どうしても生まれる意見の衝突を管理することである
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成功しているチーミングは次の四つの特別な行動を伴っている
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率直に意見を言う:チーミングの成功は、個人間でじかに、誠実な会話ができるかどうかにかかっている。会話には、質問すること、意見を求めること、過ちについて話すことが含まれる
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協働する:協働の姿勢と行動があって初めて、チーミングはプロセスを推し進めることができる
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試みる:チーミングでは何度も試みが行われるが、これにより個人と個人の交流につきものの新奇さと不確実性を受け容れることになる
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職場では、ピラミッド型組織において自分の上にいる人を怒らせてしまう不安が、当たり前に広がっている。つまり、意見をはっきり述べるというチーミングになくてはならない行動は、すでに存在しているわけではなく、作っていかなければならないのである
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対立を緩和し、チーミングの成功に欠かせない協調的な取り組みができるようにする四つの戦略
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対立の性質を見極める:個人として衝突し、個性がぶつかり合うのは生産的ではない
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優れたコミュニケーションを具現化する:うまくコミュニケーションを図ると、意見が合わない本当の理由を理解し、それぞれの立場の背後にある論理的根拠を認識できるようになる
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共通の目標を明らかにする:チームは尊敬の念を損なう根本的な帰属の誤りを克服し、信頼し合う環境を築けるようになる
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難しい会話から逃げずに取り組む:本物の会話は、少々のことでは壊れない関係を築き、考え方の違いや個人的な不和を乗り越えるのに役立つ
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四つのリーダーシップ行動
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行動1 学習するための骨組みを作る
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行動2 心理的に安全な場を作る
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行動3 失敗から学ぶ
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行動4 職業的、文化的な境界をつなぐ
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第2部 学習するための組織作り
第3章 フレーミングの力
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一時的なチームを組んで取り組むプロジェクトの場合、メンバーの役割をフレーミングするのに欠かせないのは、メンバーは理由があって選ばれているのだと明確に伝えることである。メンバーがプロジェクトのために厳選された素晴らしい人たちであることをリーダーが強く述べると、専門技術の上でも気持ちの上でも深く関わる意思が生まれるのである
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取り組むべき仕事を効果的にフレーミングすると、なぜ特定のプロジェクトが存在するのかという疑問に対する説得力ある答えを提供することになる。プロジェクトはどんな目的を果たすのか、従業員や顧客や社会に、どんな価値をもたらすのか。リーダーの仕事は、そうした共通の目的を中心に人々を一つにまとめ、彼らが団結する手助けをすることである
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自然に生まれてしまう保身のフレームを学習本位のフレームに変え、それを強固にするためのステップ
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登録:プロジェクトのメンバーが、プロジェクトや役割のために特別に選ばれていることを本人にはっきり伝える。自分が加わることが結果に影響を及ぼすのだというワクワク感や自信を与える
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準備:既存の方法をなぜ変える必要があるのかについて話し合う
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試行:実際に仕事をして、その仕事を多くの学びを得る実験として前向きにフレーミングする。ここでの目標は、一度で完璧に作業を進めることではなく、将来の成功のためにどんな調整や変更が必要になるかを素早く認識することである
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省察:うまくいったこととうまくいかなかったことから学習する。一連の試行が終わるたびに、重要な観察結果を使って、改善できそうなところを探る
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個人がリフレーミングするための四つの戦術
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このプロジェクトはこれまでに関わったどんなプロジェクトとも違っていて、新たなアプローチを試し、そこから学習する胸の踊るような機会に満ちている、と自分に言い聞かせる
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自分はプロジェクトの成功に不可欠だけれども、他のメンバーが意欲的に参加しなければ成功を収めることはできないと考える
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他のメンバーはプロジェクトの成功に欠かせない存在で、自分には予想もつかない重要な知識を提供したり提案したりするかもしれない、と自分に言い聞かせる
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- 以上の3つが本当だったら他人にどのように話すだろう。それと全く同じように、実際に他の人に話す
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フレームを変える上で最も困難なのは、状況に対する現在の知覚の根底にあって当たり前になっているフレームを認知することである。行動を変えて異なる結果を得るには、潜在する認知を変えて望ましい行動を引き起こさなければならない。個人がリフレーミングするための四つの戦術は、新たな状況においては繰り返し用いる必要がある
第4章 心理的に安全な場をつくる
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面白いことに、仕事を妨害することは学習にとってプラスになる。仕事を中断させることによって、知識のやりとりが増え、新たな手順の習得が早まることが明らかになっている
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職場で心理的安全を重視すべきなのは、それによって率直に話すことが促されるのが最大の理由である。率直に話すことには、支援を求めたり試したりミスについて話し合ったりといった、学習行動の機会を増やすことが含まれる
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リーダーは、メンバーを尊敬していることを、とりわけメンバーが持っている専門知識やスキルを認めていることをはっきり伝えなければならない。率直に話したりミスを報告したりすることを大いに促す必要もある。そのようにメンバーを導くと、リーダーは心理的に安全な環境を生み出し、支援していけるようになる
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心理的安全を高めるためのリーダーシップ行動
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直接話のできる、親しみやすい人になる
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現在持っている知識の限界を認める
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自分もよく間違うことを積極的に示す(例えば「君たちの意見が必要だ。私はきっと何かを見落としているだろうから」とメンバーに伝える)
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参加を促す(自分たちの意見を重視していると理解してもらう)
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失敗は学習する機会であることを強調する
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具体的な言葉を使う
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境界を設ける(望ましいことをリーダーができるだけ明確にする)
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境界を超えたことについてメンバーに責任を負わせる
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第5章 上手に失敗して、早く成功する
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ほとんどの人が、成功を目指すようにと教え込まれてきた。結果として、大半の人が失敗を許されないものだと思うようになった。失敗は必然であり、学習する重要な機会を生み出すものだと分かっていても、なんとかして避けたいと思ってしまう。そのため人々は職場において、自分が経験した学びが多々あるかもしれないミスや問題について、口を閉ざしたままでいることが少なくない。しかしそれによって会社は、失敗から得られたかもしれない学びを逃してしまうことになる
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失敗を、厄介な出来事としてではなく学習する機会として捉えられるように常にリフレーミングする
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早く成功するために、頻繁に失敗しよう。一つ一つの失敗がもたらす教訓を学ぶ限り、どんどん失敗する方が早く成功を手に入れられる
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世界中の企業の幹部たちでさえ大半が、よくない知らせを上司や同僚の耳に入れたがらない。問題を報告した人を罰するのは今なお解決されることなく続く悪い現実であり、リーダーとしては失敗の報告が罰せられることなく上司や同僚に伝わる状況を生み出すことが必須である。そのために、リーダーは三つの基本的な行動をとる必要がある
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問題を報告した人を歓迎する
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データを集め、意見を求める
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失敗の報告にインセンティブを与える
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第6章 境界を超えたチーミング
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「境界」という言葉は、ジェンダーや職業や国籍を含め、人々の間にある目に見える領域と目に見えない領域の両方に当てはまる。また、境界は人々が様々なグループの中で持つ当たり前になっている思い込みや多様な考え方が元になって存在する
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チーミングを成功させるには、マネジャーとチームメンバーは自分たちが多様な見方を持って集まっていることを、しばしば自分の信念や価値観にとって正しいことを当たり前だと思うようになっていることを認識しなければならない。つまり、団結しようと言うだけで万事が上手く行くわけではない
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境界を超えたチーミングの必要性が増しているのは、二つの関連する傾向があるため
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知識が専門知識がかつてない速さで進歩しており、人々は相当の時間を費やさなければ自分の専門領域の最新の情報に精通できなくなっていること
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国際競争のせいで、タイムフレームがかつてないほど圧縮されていること
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境界を超えたコミュニケーションを促進するためにリーダーにできる行動
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共通の目標をフレーミングして、人々を一つにまとめ、コミュニケーションの障壁を乗り越えようとする意欲を高めること
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関心を示し、情報を共有したり質問をしたりするのを適切な行動だと認めること
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プロセスの指針を示して、コラボレーションの構築を後押しすること
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第3部 学習しながら実行する
第7部 チーミングと学習を仕事に活かす
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学習しながら実行するという姿勢で仕事をするには、あえて困難な道を選ばなければならない。学習しながら実行することを仕事の仕方として受け容れるというのは、どんなプロセスでも必然的に不十分であり、わずかだとしても改善できる可能性が常にあると受け容れることである
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学習しながら実行する場合、リーダーは答えを与えるのではなく、方向性を定める。方向性を定めるとは、その組織にとって最も重要な優先事項を述べることである。実現する方法については、リーダーははっきり言わないし、言うこともできない。そのため、答えは示された方向へ向かいながら皆で協力して見つける、あるいは改善することになる
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学習しながら実行するための基本的なステップ
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診断:組織に迫っている状況やチャンレンジや問題を診断する
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デザイン:学習しながら実行するための適切な行動計画をデザインする
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アクション:新たなデザインに基づいて行動し、その行動を学習するための試みとして考える
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成功している会社は、プロセスや製品をより良いものにしようと常に努力している。「我々は何を学ぶことができるか。もっと上手くできることは何か」を毎日自らに問いかけている
第8章 成功をもたらすリーダーシップ
おわりに
ここまで読んでいただきありがとうございます。
チーミング、心理的安全性、リフレーミングなど面白いですよね!
↓この本を読めばもっと深く理解できるのでとてもオススメです。
チームが機能するとはどういうことか ― 「学習力」と「実行力」を高める実践アプローチ
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次もチームで働くノウハウの本「Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか」を読みます。
読書楽しいですね!
来週も頑張ります。